2016年10月16日日曜日

エルコンワンデー レポート - L-CON 1DAY -

低価格なレンズとして有名なエルコンワンデー。

この立ち位置では第一人者という感じでしょうか。

率直な感想としては、いまさらグループIか、という印象です。
インターネットでコンタクトレンズの販売が激化しているいまとなっては同価格帯でもう少しスペックの高いレンズが乱立しているので、インパクトとしてはいまいちな気がします。

過去に回収騒ぎがあったり、おなじシンシアが発売するレンズにいちゃもん付けられたりと何かとよろしくない話題が多かったエルコンシリーズですが、最近は岡崎紗絵さんを起用してからイメージが格段に向上した感じです。

製造販売元は日本の企業であるシンシアですが、実際の製造は台湾の St. Shine Optical という会社です。

この St. Shine Optical はコンタクトレンズ製造の OEM 大手で、ハイテクで言うところの TSMC みたいな企業です。最近ではシリコーンハイドロゲルレンズも製造しているアジアの一大マニュファクチャーです。

日本ではシンシア以外にシードが一部の製品を製造委託しています。

パッケージ

デザインはとても好印象です。
過度にみずみずしさをアピールする古臭いデザインとは異なり、緑を基調としたポップなデザインは目を惹きます。

ブリスターパッケージもシンプルで格好いいです。

ただ、このブリスターパックは切り離して机に置くと不安定です。

他のブランドは平らな面に置いたときに安定するように工夫がされていますが、エルコンワンデーはグラグラしてしまいます。
左がエルコンワンデー。
この不安定さによって意外と開けにくかったりします。

箱はとてもコンパクトです。
アルコンのデイリーズアクアと比べると1cm以上小さいようです。

つけてみた感じ

あまりハイテクでないレンズなので大きな期待をせず(?)に着けてみたところ、思いの外装用感が良かったです。

若干コンタクトレンズを着けている感がするものの、付け始めから数時間は低含水率や酸素透過率の低さは気にならず、特に変わったこともないふつうのレンズという印象です。

半日ほど経過すると段階でやや違和感を感じることが多いです。
6時間を経過してくると、目の疲れが明らかに意識されるようになり外したい感が強くなります。
これは「酸素透過率が低い」という情報が長時間装用を避けるようにするという意識を与えているのだと思います。

わざわざそういうことを気にしながら着けるのも気づかれするので、何度か短時間使ってみてからあまり使わなくなりました。

その他


角膜に対する酸素の必要性が重視される風潮のいま、Dk/L値が11.3というのは少し厳しいのではないかと。
目に対する酸素供給は素材だけではなく、レンズのデザインによる涙の流れやレンズの動きにも影響されますが、さすがに数百円の違いで酸素透過率倍くらいのレンズが買えるのでイマイチ感が目立ってしまいます。

ところで、含水率が低いため乾燥しにくいような印象を与えていますが、これって本当なのでしょうか。
含水率が低いということは、単純にレンズに保持できる水分が少ないというだけで、蒸発のし易さ、水の吸い易さとは必ずしも連動しないような...

含水率が高くても、単位時間あたりの表面からの蒸発量が少なければ瞳の涙分を吸い上げにくいだろうし、逆にレンズに含まれている水分蒸発を保護する仕組みがなければ、たとえ低含水率でもレンズから水は蒸発し、その分瞳の涙液を吸ってしまうのではないかと思うのですが、やっぱり単純に含水率に比例するようなものなのでしょうか。

病院行くほどのレベルの人は、残された目の機能を考えるとシリコーンハイドロゲル使うべきではないかという感じですが、ごく短時間使うのであれば使い勝手の良いレンズかもしれません。

ランニングコストだけでいうなら、2ウィークのシリコーンハイドロゲルにしてAOセプトクリアケアあたりでメンテナンスしたほうが安価にドライアイ対策と酸素供給を両立できます。

どちらかというと、野球やサッカーの試合などスポーツのときだけ付けるとか、雨の日や夜間のドライブのためにいつもより度数を少しだけ高めにしたレンズが一時的に欲しい場合、そんなときに役立つレンズです。

ふだん2ウィーク中心の人が、紛失時等の予備用としてかばんにストックするにも良いかもしれません。コンタクトレンズを長時間装用する人ばかりでも無いと思いますので、ふだんは使わないが時として必要になるようなケースでは重宝するかなと。

短時間装用であれば瞳に与える影響も少ないことが予想され、そういったときに取り回しのし易いエルコンワンデーは使いやすいと思います。

全体としては少し厳しい感想になってしまいました。

このレンズ、もし1箱300円とかなら思いっきり「買い」なんですけどね。

朝の通勤時にはばっちりメイクで颯爽と出勤。会社に来たら外して捨てる。
会社ではブルーライト対応の度つきメガネで過ごして、帰りにまた新しいものを着けて寄り道デートなんてことが実現できますから。

短時間装用なら酸素透過率は多少低くても影響を抑えることができるし、とにかく安価ならつけたり外したりしてもお財布の負担も少ない。
人に見られるところではメガネをかけたくない。でも、仕事中は目の健康を考えてメガネもあり。なんて人にとってはライフスタイル変えるレンズになるんじゃないですかね?

基本スペック

販売名:エルコンワンデー
タイプ:ワンデー、終日装用
分類:グループI(非イオン性低含水)
DIA: 14.0mm
BC:8.7 mm(他に9.0mmの設定あり)
含水率:38.5%
Dk値:7.93
Dk/L値:11.3(-3.00D)
中心厚:0.07mm @-3.00D
製造:ST. SHINE Optical Co.,LTD(台湾)

製造販売元はシンシアという日本のメーカーですが、実際にはOEMですね。
旧世代のレンズなので今の販売価格は少し高いかな。
同じ価格帯でデイリーズアクアやメダリストワンデー買うことができるケースがありますし。

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