2016年9月24日土曜日

プロクリア ワンデー レポート - Proclear 1 day -

クーパービジョンの主力レンズの一つ、プロクリアワンデー。
装用感が良いと評判の高いレンズ。


いまでこそクーパービジョンのワンデーフラッグシップは「マイデー」という感じですが、角膜細胞をモデルにしたこのレンズは、登場時はかなり印象的でした。

クーパービジョンのホームページによると、「含水率が低下しにくい」ということと「汚れが付きにくい」ということがアピールポイントっぽいです。

後者はワンデーなのでよほどたんぱく質が出やすい人以外は気にするほどでもないかと。
むしろ、このレンズ、乾きにくいという点では確かに秀でていることが実感できます。

パッケージ


クーパービジョンはここ数年パッケージの刷新をして、洗練された外見になりました。
それまではいかにもみずみずしさをウリにした青色基調のデザインだったのが、暖色も含めたシンプルなデザインになりました。

箱の裏を見てみるとイギリス製のようです。
コンタクトレンズは税制上有利だといわれているアイルランド製が多い中で、英国製というのは結構珍しいかも。

開けるとこんな感じ。

クーパービジョンのパッケージは、開けるとなぜか左右に少しゆとりがあります。

ブリスターパックの重ね方の関係でしょうか。

それにしてもクーパービジョンのブリスターパッケージは開けにくいですね。接着の部分が強めについているようで、手が湿っていると滑ることもあり、はがすときにも変な形で切れることがあります。

つけてみた感じ


つけた瞬間から違いがわかります。
目にすっと入っていくような感覚で、違和感がほとんどありません。

違和感を感じるとすれば表裏が逆になっているときくらいで、着けた瞬間から着けていることを意識しないくらいの一体感を感じます。
厚めのレンズでありながら、それを感じないところはさすが装用感に定評のあるクーパービジョンです。

視界もクリアで、クーパービジョンのレンズと私の目の相性は良いようです。

含水率60%と高めなためウェットな感じがします。
驚くのは長時間着けていても乾燥感をほとんど感じないこと。
12時間たってもほとんど蒸発せずつけた時の水分を保持するという触れ込みは伊達ではありません。

このレンズは「装用中にごろごろ感やドライアイの症状を感じることを軽減する」といううたい文句を掲げることを、FDA(米国の厚生労働省みたいな感じ)から認められています。

その触れ込み通り多くのユーザの声を見ても、含水率が高いのに乾燥しにくいという評価が多い感じです。

人間の角膜をモデルにした生体模倣技術が取り入れられていることと、独自の保水成分の働きが効いているのかと思われます。

12時間以上VDT作業をしていても乾燥感はありません。(もともと私はドライアイ傾向ではないですが)
感想をしているという感じがほとんどないので、確かにこれはいい感じだわと実感できます。

ただ、時間が長くなれば長くなるほど視力が出にくくなる気がしています。

やはり酸素透過率が低いため、目がだんだんと疲れてくるのでしょうか...
平均的に14時間くらいつけているのですが、コンタクトレンズを外した後に、心なしか目がほっとした感じになっているような気分になります。

外した後になぜか目薬を差したくなります。

その他

クーパービジョンからは満を持してシリコーンハイドロゲル素材の「マイデイ」が出ましたので、今後はそちらに主力が移る感じもしています。

プロクリアーワンデーはDk/L値が22.8と決して高い数字ではありません。むしろ従来素材では後発の割には低い値です。

瞳への酸素供給はDk/L値だけでは決まらないとは言うものの、ここまで明らかに低いとドライアイなどでこのレンズ以外瞳が持たないというのでなければ、いまとなっては万人が積極的に使うレンズなのかなという感じです。

体感的には長時間つけていても目の疲れを感じません。エッジの処理からも想像するに涙液の交換がある程度他の使い捨てレンズより良い可能性があります。

外すまでは疲れを感じないため、ややもすると長時間装用になりがちです。酸素透過率はそれほど高くないので会社に行く直前に着けて、帰りには外すなんて運用であれば良いかもしれません。

このレンズはグループIIなので、他のグループIVのレンズよりは汚れに強いことも予想され、それが良い装用感につながっているのかもしれません。汚れがつきにくいほど、違和感が減りますので。

基本スペック

販売名:プロクリア ワンデー
タイプ:1日使い捨て、終日装用
分類:グループII(非イオン性高含水)
DIA:14.2mm
BC:8.7mm
含水率:60%
Dk値:20.5
Dk/L値:22.8 @-3.00D
中心厚:0.9mm @-3.00D
USAN:omafilcon A
製造:CooperVision Manufacturing Limited/U.K.(英国)、CooperVision Caribbean Corp./Puerto Rico (U.S.A.)(米国)

クーパービジョンの従来型素材のフラッグシップ。
いろいろな比較サイトでもトップクラスの評価のレンズ。
合う人は多いと思います。

クーパービジョンは国内では通信販売を制限しているので、眼科併設のところか海外通販でないと手に入らないという入手の困難さがありますが、コンタクトレンズによる障害を防ぐという会社の方針はまっとうなのかなと。




2016年9月17日土曜日

プロクリアとバイオトゥルー ワンデー比較

コンタクトレンズの着け心地を改善する一つの方法として、角膜に似せることで異物感を減らそうというアプローチがあります。

この、角膜の作りに似せた「生体模倣」をウリにしているレンズとして有名なものに次の二つがあります。

クーパービジョンの「プロクリアワンデー」とボシュロムの「バイオトゥルーワンデー」

まずはプロクリアーワンデー。

クーパービジョンのホームページにあるプロクリアワンデーの説明によると
瞳の角膜細胞をモデルにしたPCハイドロゲルは、 PCテクノロジーによって生まれた次世代のコンタクト レンズ素材です。 生体模倣の技術により、人の体になじみやすく 汚れにくいため、瞳の健康を妨げない環境を提供します。 さらに、ヒアルロン酸の約2倍の高い保湿力を持つ 保水成分MPC※の配合により、コンタクトレンズを乾燥から守ります。
と書いてあります。

一方、ソフトコンタクトレンズのパイオニアであるボシュロムが発売しているバイオトゥルーワンデー。

ボシュロムのサイトには
 自然界の優れた機能や性質を模倣した技術「バイオ・インスピレーション」。
この技術を応用して生まれたのが、独自素材「ハイパージェルTM」です。
ヒトの眼に本来備わっている機能を模倣することで、従来のレンズの欠点を最小限に抑えることに成功しました。
だそうです。高含水率なのに乾燥しにくいということもウリにしています。


プロクリアーワンデーの登場は結構インパクトがあって、ドライアイに効果があるレンズとのFDAによるお墨付きもあってか、クーパービジョンの技術力を広く知らしめる画期的なレンズでした。
Dk値20.5、Dk/L値22.8(-3.00D)とレンズデータだけ見るとお世辞にも新素材感を感じることのないレンズなのに、着け心地の評価が高く、クーパービジョンの主力商品です。クーパービジョン社の発表では12時間を超えても潤いが続く(96% hydration for 12 hours or more)とのことです。


後発のバイオトゥルーワンデーはそのあたり改善されているようで、角膜と同等の含水率78%と非常に高い数字によるDk/L値42(-3.00D)は非シリコーンハイドロゲルの中ではトップクラス。
ボシュロムの資料によるとDk値も42とあるので、厚みが0.1mmということで、意外と厚いレンズです。
16時間以上レンズが乾燥しない(maintains 98% of its moisture)そうな。


果たしてどちらが(自分にとって)優れたレンズなのか。
両方トライしてみました。
片目プロクリア、もう片目はバイオトゥルーを交合に5日間ほどトライしてみました。


着けた瞬間の着け心地という面ではバイオトゥルーのほうがやや良い感じでした。

眼科でトライアルして、正確に視力を測定したところ、ややプロクリアのほうがシャープにものが見えます。

最初にプロクリア、次にバイオトゥルーの順でトライアルしたところ、プロクリアでははっきり見えていた度数でも、バイオトゥルーだとややぼやける感じです。

その後、長時間の装用で比べてみても、経過1時間くらいはどちらかというとやはりプロクリアのほうがシャープにものが見えています。

つけ心地は、装用後30分もたつとどちらも着けていることを忘れるくらいで、甲乙つけがたく、フォーカスデイリーズアクアよりはどちらも確実に上回っています。

VDT以外(外出や休日の使用)では湿度の高い時期(9月)にトライしたせいか、どちらも感想を感じるようなケースは見られませんでした。違うことに集中しているときに、コンタクトレンズの違和感がそれを邪魔するなんてことはなく、ずれたりゴロゴロしたりするようなことも一切ないです。
湿度の高い室外から空調の聞いたドライな部屋に入った後などはどちらのレンズもやや乾燥気味になりますが、プロクリアのほうが早めに回復するケースが多かったです。

12時間以上装用してもどちらも乾きを感じることがほとんどなく、保水という面では評判通りです。
この辺りになるとバイオトゥルーはややピントが合いにくくなることが多い気がします。ひょっとすると目との相性かもしれません。
私の場合、アキュビューではBC8.5のほうが合うので(眼科でフィッティングした結果)、どちらかというとバイオトゥルーのほうが動きやすいという可能性があります。

個人的にはボシュロムのレンズとはあまり相性が良くないのかなぁという感じも。

両方のレンズともに一日を通じてレンズのエッジが気になるようなこともほとんどなく、長時間つけていても疲れが少ないです。

1時間半くらいうたたねしてしまったことがありますが、両方ともにこの程度では全く瞳に影響がありませんでした。他のコンタクトレンズだと起きた瞬間にかなり目が締め付けられる気がするのとは大きな違いです。

装用時点ではほぼ互角で気持ちプロクリアという感じでした。


で、終わるかと思ったのですが、レンズを外した際にはっきりとした違いがありました。
間違いなくバイオトゥルーのほうが外した後の違和感が少ないです。

コンタクトレンズをする場合、両眼ともに同じレンズをすることがふつうなので気づきにくいですが、左右で違うレンズを使うと外した後の違いが判ることがあります。
バイオトゥルーはより自然な感じなのが、プロクリアはバイオトゥルーよりもBCが緩いので締め付けの差というよりは酸素透過率やレンズ形状による目の負担の差が出ている感じです。


全体的な価格と着け心地その他を考えると、現時点ではバイオトゥルーワンデーに軍配を上げます。

バイオトゥルーワンデーは非シリコーンハイドロゲルのなかではトップクラスの酸素透過率を誇り、含水率も高く装用感もよいです。おまけに乾燥しにくいと従来素材の欠点を高いレベルで解決しているレンズです。

角膜への酸素供給量は素材の透過率だけでは測れないといわれていても、素材自体がそれなりに酸素を通すほうが安心です。

通販系ではあまり売られていませんが、街のコンタクトレンズやさんでは結構取り扱いがあると思いますので、とりあえず最初は最寄りの眼科でトライアルしてみて、合うようであれば通販なども使ってもよいかもしれません。

2016年9月9日金曜日

ウェイブワンデー レポート - WAVE 1DAY -

「コンタクトレンズ」と検索すると必ず上位に広告として表示されるレンズアップル。

このレンズアップルを展開する株式会社パレンテが商品開発したワンデーレンズがこの「ウェイブワンデー」

WAVE とは WE + HAVE からの造語だそうです。

扱いはほぼパレンテさん系列だけのプライベートブランドですが、パレンテ系列のサイトは露出度が高いので最近あちこちで見るような気もしてきました。

非イオン性低含水レンズ(グループI)といういまとなってやや旧式っぽさを感じるレンズですが、その実力はいかがなものでしょうか。

パッケージ


パッケージは低含水にしてはみずみずしさをイメージしたもの。
低含水による「乾きにくさ」≒「みずみずしい」というところでしょうか。

ブリスターパッケージはシンプルです。

このレンズ、どこかで見覚えがあるような...
どうもスペック的にはエルコンワンデーエクシードと同じではないかと。

Dk/L値、含水率、BCやDIA、薄型非球面など、スペックやうたい文句がほぼ同じ。製造元も同じ。
ブリスターパッケージも色違いくらいでほぼ同じ。
画像はエルコンワンデーと。
印字の部分も全く同じです。

国内通販では1,700円くらいで販売されているエルコンワンデーエクシード相当のレンズが、エルコンワンデーより安い。お買い得なレンズですね。


つけてみた感想


薄いわりにはしっかりとしたレンズでしたので、少し硬いのかなぁと思いましたが、着けた直後の感じは、想像以上に良いです。

目にすっと入り込むような感じで、あまり気になる部分がありません。
保存液もそれほどぬるぬるしているわけでもないのに、つけ心地は良好です。

ただ、5分もすると「レンズつけてるなー」という感じがしてきます。

3時間くらいVDTし続けていると、乾燥というわけではないですが、やはりレンズをつけているという感覚が強くなってきます。
この「コンタクトレンズを着けている感覚」は終日続きます。
やはり、瞳が酸素を欲しがっているということでしょうか。

まぁ、こんな感じという程度で外したくなくなるほどでもありません。乾燥感についても、私自身が特段乾燥を感じやすいタイプではないため、明らかに高含水レンズより有利であるというほどでもありませんでした。

さすがに10時間を経過するころになると、最近のバイオトゥルーやプロクリアと比較すると疲れを感じます。違和感というか単純に疲れてくる感じです。
エッジが気になるというタイプではなく、むしろ着けている感覚は減ってくるような感覚でありながら、目全体が疲れてきます。

おそらくこのレンズをつけたまま寝てしまうなんてことになると、起きた瞬間目が開かないのではないかと。

一日の最後、このレンズは外しやすいことに気づきます。
含水率が低くて安定しているせいなのか、目に貼り付くようなことはありません。

ウェイブワンデーの公式ホームページでは比較的評価が高いコメントが載っています。
まぁ、自社発表なのである程度差しい引いて考えるにしても、普段使いとして気になるほどのレンズではないという印象です。

もう少し価格競争力が高くないと、なかなか定番レンズにならないかな。
後継モデルのウェイブワンデーエアスリムは製品そのもののスペックを高めてきていますので、どのくらい変わっているのか気になるところです。


まとめ


やはり、Dk/L値15.9というのは少し厳しい感じです。
明らかに目が疲れているということがわかります。

酸素供給はDk/L値だけではなく、レンズに含まれる水分を通してということになるのでしょうが、レンズの表面積に対して含んでいる水分も少ないので、その期待も少し薄い。
長時間の装用はちょっと... というところです。

ただ、自転車や原付などを乗るような人は低含水の乾きにくさは大きなアドバンテージになりそうです。

また、ドライアイ気味の人がスポーツをする時など目薬を頻繁に差すことが難しい環境にいる場合なども有利なレンズです。

非球面の形状、薄めの仕上げで短時間での装用感は決して悪くなく、これはこれで一つの方向性だと思えばシーンによってはいいレンズではないでしょうか。

長時間のVDT作業が多く、ドライアイでもない私はどちらかというと高含水レンズのほうが好きです。
かなり価格も頑張っているとは思いますが、デイリーズアクアも100円差くらいで買うことができるのでどうしてもそちらを買ってしまいます。

冒頭にも書きましたが、ウェイブワンデーはリニューアルされています。
後継モデルは明らかにスペックが改善されているので、折を見てトライしてみようと思います。


基本スペック


販売名:ウェイブワンデー
タイプ:ワンデー、終日装用
分類:グループI(非イオン性低含水)
DIA: 14.0mm
BC:8.7 mm
含水率:38.5%
Dk値:7.93
Dk/L値:15.9(-3.00D)
中心厚:0.05mm @-3.00D
製造:ST. SHINE Optical Co.,LTD(台湾)

販売はパレンテ、製造販売元はシンシア、製造はセントシャインといろいろコラボしているレンズです。
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