2016年6月6日月曜日

フォーカスデイリーズアクア レポート - Focus DAILIES AQUA -

日本アルコンから発売されている「フォーカス デイリーズ アクア」(Focus DAILIES AQUA)。

通販でも、店頭でもとにかく入手しやすいコンタクトレンズで、むしろ扱っていない業者さんあるのかなというくらいです。

国内ではジョンソン・エンド・ジョンソンのアキュビューシリーズの後塵を拝しているようですが、装用感や見え方は大差がないように感じます。

価格も1,200円くらいで買えたりすることがある安価な部類ということもあり、長年コンタクト生活を送っている人であれば一回は使ったことがあるのではないかと。

2005年にそれまでのデイリーズを改良して発売された製品です。
前身のデイリーズは1998年から販売されていて、その製品と基本的な素材や技術は変わっていないそうですから、もう20年近く前の技術で作られているレンズです。

流石に生産機械は入れ替えているでしょうが、設計などの初期費用についてはすでに償却できているということも安価に提供できる一因でしょうか。

僕は好きです、このレンズ。

安くてまさに「使い捨て」レンズという感じですし、装用感も悪くない。
グループIIの非イオン製レンズはイオン性のレンズに比べ汚れのつき具合が1/300なんだとか。

「つるつるして外しにくい」という声もちらほら見かけますが、慣れればそれほど外しにくいとも感じません。

そんなにつるつるするくらい表面が滑らかという事は瞼に与える負担も少ないのではないかと前向きに考えています。

パッケージ


商品名に「アクア」がついていることもあり、みずみずしい青色パッケージ。
これは日本国内のパッケージです。まぁ、目立ちますよね。

デイリーズアクアの名前のとおり、「水」を意識したストレートなパッケージです。
アルコン(旧チバビジョン)は濃いブルーから緑がかったブルーが好きですね。

国内で購入すると添付文書がラミネートされています。


せっかくパッケージでデザインしているのに、売り場ではあまり意味ない感じになってしまいますね。

ちなみに、同じ製品が海外では単に「デイリーズ」として売られていて、同じレンズが白い箱に入って売られています。

なぜかこの白い箱の海外パッケージにも日本向けの説明と承認番号の記載があります。
デイリーズアクアコンフォートプラスは海外と共通しているパッケージですので、デイリーズもこのデザインを使うこともできるようにデザインしたのでしょうか。


国内の正規流通品は外箱が日本専用と思われ、蓋をあけると日本人向けに細かな説明が書かれたりしています。

送料などを考えると国内サイトから購入するほうが良い気もしています。

それにしても、なぜコンタクトレンズの箱は開けにくいのでしょうか。
たいていは少し破れます。

ブリスターパッケージはイタリアデザインの巨匠、ミケーレ・デルッキによるものとか。左右非対称の独自のパッケージで、開けやすい方だと思います。

アルコンのブリスターパッケージは切り離しやすく開けやすい秀逸なデザインです。
コンタクトレンズが入っている部分も完全な円形ではなく、切り離しやすさ、取りやすさを考慮しているものと思われます。

添付文書によるとドイツ製とシンガポール製があるようですが、私のレンズはシンガポール製でした。

つけてみた感じ


デイリーズアクアはそれほど薄いレンズではないので、取り出す際の取り扱いが楽です。

ただ、このレンズはときどき表裏が逆になっていることもあるので注意が必要です。
おまけに表裏の判断がしにくく、アキュビューのような印もついていないので初めての人には厳しいところがあるかもしれません。

そういえば、チバビジョンから出ていた以前のデイリーズアクアの保存液は独特な酸っぱい感じの匂いがしました。最近購入したアルコンブランドではそれが感じられません。何か変更があったのでしょうか。

着けてみるとワンデーコンタクトレンズの中では小さめのDIAのためなのか、エッジもあまり気にならず、着け始めの装用感は軽い感じがします。

1時間も経過すると着けていることを意識しなくなる時もあるくらいです。8時間くらいまではほとんど違和感を感じることがありません。
体感的にはエッジの処理がスムーズで目の中で違和感を感じるシーンが少ないです。

レンズ厚0.1mmと使い捨てコンタクトレンズとしては厚めの部類ではありますが、柔らかいレンズのためか厚さを感じるようなことは無く、むしろ数字を知るまでは薄いレンズかと思っていたくらいです。

12時間くらい経つと、乾く感じは少ないものの、コンタクトを着けている感が感じられるようになり、少し目が疲れるます。日によっては左目でいえば向かって時計の4時から6時あたりのエッジが強く感じられます。一日を通して曇るような感じは受けません。

オフィスワーク中心の仕事をしているので部屋は乾燥しているはずですが、含水率高めの割には乾燥しない感じで、乾燥度合いは上位バージョンの「AquaComfort PLUS」との違いが判らないくらいです。(そもそもの素材は一緒だしネ)
DIAも小さいし、カーブもこちらのほうがきついのでズレにくいという利点があります。

このレンズ、外しにくいということで有名ですが個人的にはそれほどかなとも思っています。

滑るには滑るにしても、一度コツをつかんだら簡単に外すことができるので、そのコツをつかむかどうかかなと。指の腹で両サイド寄りをちょっと押すような感じで掴むと「スポッ」という感じで目から外れます。

最近は目に優しい気がするのでコンタクトを外す前に目薬をさしています。潤った状態だと少し滑りますが取り外しができないということも無いです。

Dk値26という数字については、シリコーンハイドロゲルの100オーバーに見慣れてしまった今となってはイマイチ感が出ていますが、20以上あればDk/Lについては大きな問題にならないという意見もあります。

コンタクトレンズを着けたまま寝てしまうなんてことがなければ日中ダメージを感じることは無かったです。

ちなみに、転寝でもしてしまうと起きたときに強烈に痛さを感じるので要注意です。寝てしまうリスクがある人は確実にシリコーンハイドロゲル製のほうが良いです。

その他


デイリーズアクアの添付文書にはDk値(酸素透過係数)しか記載されていません。-3.00Dの場合中心厚0.1mmなので、Dk/L値を計算すると26になるはずです。それ以上の屈折率になれば当然Dk/L値が下がるはずで(中心部分以外は厚くなる)、強度の場合は少し酸素透過率が下がるため、どちらかというと弱度近視の人がお手軽に使うレンズ、という位置づけかもしれません。

シリコーンハイドロゲルが登場するまでは、酸素透過率をあげようとすると含水率を高めなければならず、含水率が上がると乾燥しやすいというなかなか厄介な問題がありました。

デイリーズアクアより安価なレンズも売られていますが、旧来の製品と考えられるグループI(非イオン低含水)のレンズが多く、酸素透過を水に頼ることができない製造業者は「乾燥しづらい」を売りにしているようです。

レンズの構造によって乾燥しないといっても、素材自体は酸素を通さないため、角膜に酸素を届けるために重要な水分が不足しているということですから、これは対策が取りようがない分、長時間の装用は個人的には避けたいと思っています。

これまでいろいろなコンタクトレンズを使ってきましたが、装用中に目の中で割れた(切れた)のはフォーカスデイリーズだけ(過去2回あるのでおそらくレンズの性質かと)。水分が多いということはそれだけ水以外の材料割合が少なく、また少し厚手のレンズであるため引っ張られるような状態になると切れやすいのかもしれません。AquaComfort PLUSのほうは目の中で折れたりずれたりと散々な経験もあるので、このシリーズの形状安定性は低いのかなと思っています。

取り外しにくいと言われるつるつるとした表面は、装用時にはまぶたの負担を下げているとも考えられます。コンタクトレンズを外すのは通常1日1回しかありませんが、瞬きは何度もしていることを考えると、つるつるするレンズは安心感のひとつにもなります。

冒頭にも書きましたが、慣れればそれほど外しにくいというわけでもないので、レンズ表面が滑りやすいというのは利点のほうが大きいです。

トータルで見るとよいレンズかな。
グループIのレンズよりちょっとだけ金額が高いぶん酸素の通りもよいし、着け心地も悪く無い感じです。個人的には体質と合うのか乾燥も少ないので、価格を基準にして選ぶならこのレンズかなと思っています。

基本スペック


販売名:フォーカス デイリーズ(デイリーズ アクア)
タイプ:ワンデー、終日装用
分類:グループII(非イオン性高含水)
DIA:13.8mm
BC:8.6mm
含水率:69.4%
Dk値:26
Dk/L値:26 @-3.00D
中心厚:0.1mm @-3.00D
USAN:nelfilcon A
素材:PVA
製造:CIBA Vision GmbH(ドイツ)、または CIBA Vision Asian Manufacturing and Logistics Pte. Ltd.(シンガポール)

街のコンタクト屋さんでも、通販でも、手に入れやすいレンズです。
いまとなってはあまり性能的な特長が無いので、市場価格も抑えめで、ネットでも大手メーカー品としてはいちばん安価な価格帯で販売されています。
ワンデー初めての人にも優しいような売られ方をされているのに、取り外しがしにくいといわれるビギナー向けなのかなんなのか微妙なレンズです。

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