コンタクトレンズ界の「宅急便」「バンドエイド」みたいな、ある意味多くの人に訴求できているブランドです。コンタクトレンズとして一つの標準ともいえるレンズで、シリコーンハイドロゲルではない従来のHEMA素材としては一つの完成形といった印象です。
おそらく国内で最も売れている従来素材レンズです。
従来のワンデーアキュビューでよく言われた乾燥感を低減するため、ラクリオンテクノロジーと呼ばれる技術で潤い感を強化しています。
表面の滑らかさ度合に関してはジョンソンエンドジョンソンのサイトによればデイリーズアクアよりも上回り、装用感が良いことをアピールしています。
パッケージ
アキュビューシリーズは青色をベースにしたシンプルなパッケージでシリーズ間でおおむね統一された印象です。MOISTの文字にうるおい感を出しているものと思われます。さり気なく右下に UV BLOCKINGの文字が。
国内パッケージは添付文書付きでラッピングされているため、その手の情報は開けてみるまで分かりません。
パッケージのデザイナーからするとどうなんでしょう、この扱い。
今回はアイルランド製のようです。
国内で手に入れた時も、海外通販で買った時も、いまのところアイルランド製が届いています。
ブリスターパッケージは真四角のカタマリ。
ジョンソンアンドジョンソン以外はブリスター形状に工夫がされていることが多いのですが、ここは相変わらずの四角形状で、切り離すときにフタ部分のアルミがうまく分かれないことがあったりします。
ジョンソンアンドジョンソンは全体的には保守的でもあり、良くも悪くもアメリカっぽい雰囲気を感じさせられます。
つけてみた感じ
今回はBC 8.5にしています。
実は以前このアキュビューモイストのBC9.0を使ったことがあるのですが、どうも目に違和感を感じたり目の中で折れてしまうことなどがあったため、眼科医と相談してBC 8.5にしました。
以前BC9.0で使っていたときは、ずれるし折れるし外れるしで最低のレンズだと思っていました。
ところがこれ、単にカーブがあっていなかったのかカーブがあっていたなら相性が悪かったのか、とにかくリピートするほどのものでもないという印象でした。
(ちなみに、いわゆるコンタクト眼科で検査してもらっての処方です)
その後、アルコンやクーパービジョンのレンズを使うと快適だったので、ひょっとするとカーブが少し小さくても大丈夫なのではないかという事に気づき、一般の眼科で「眼鏡・コンタクト外来」というものがあるところで見てもらい、BC8.5のほうが良いのではないかという結論になりました。
結論として、きわめて快適に使うことができています。
よくフィッティングがどうのとか言われますが、一日何人も見ているコンタクト眼科だとやればよしで手を抜くところもあるのかもしれません。再診になると儲けも大して出ないでしょうから、患者が文句言わなければそのままなんかと。(全部がそうではないと信じますけど)
コンタクトレンズを通販で買う場合はときどき近隣の眼科で診察してもらうことが必須だと考えています。
手軽に買うことができる反面、定期的な検査を受けないために、気がついたら失明寸前では洒落になりません。初診なら検診だけであれば1,500円でお釣りが来ます。眼科によっては1,000円ちょっとです。再診なら400円くらいです。これを高いと見るかは目のリスクを考慮して決めたほうが良いです。
検査とコンタクトレンズ処方箋発行は別に考えて、一般の顧客も扱う眼科で診てもらうのもひとつの方法です。
レンズそのものは薄くてあまりコシも無いため、指の上でややフニャります。
指にくっついたり丸まったりで、やや扱いづらいです。
アキュビューの特徴である「123マーク」によって表裏の判別はしやすいです。安心して装用できます。
装用直後の感じとしては、柔らかいレンズのため全体的な装用感は良いです。
個人的には最初の数分くらいは左目だけ明らかにレンズを入れているという違和感を感じましたが、気がついたら忘れていたという程度で、ある程度時間が経過すると目に合う感じです。
moistの名前のとおり、夕方になっても乾燥を感じません。日中は目薬いらずです。
デイリーズアクアで感じたレンズ下方よりのエッジに対する違和感もなく、つけ心地はいい感じです。概して疲れにくく、乾きにくいレンズです。
12時間くらい経過するとやや乾燥感が出てきます。
ただ、レンズのエッジを感じるようなことはなく、ここはデイリーズアクアに優っています。
BCの違いはかなり影響が大きいです。
眼科で処方箋を発行してもらう時、何も考えていないお医者さんはBC 9.0を発行してくるケースが多いような気がします。これまでかかったすべての眼科(コンタクト屋併設)ではJ&Jのレンズはすべて9.0でした。(モイストもトゥルーアイも)
今回は独立した眼科のメガネ・コンタクト外来みたいな日に行ってみたところ、BC 9.0とBC 8.5では8.5のほうが合うという結論になりました。
事実、8.5にしてみたところ以前からのアキュビューモイストの印象がガラッと変わりました。
外しにくさはデイリーズアクアを難なく外せる人ならば問題ないかと思います。
アキュビューモイストもやや滑るとは思いますが、デイリーズアクアを外しにくいという記述はよく見かけるものの、モイストが外しにくいという意見はあまりみないので個人的な得手不得手かも知れません。
その他
Dk値は従来型レンズなので高くありません。とは言え、レンズ厚が薄めのため、Dk/L値が33.3と酸素は比較的通りやすい印象です。
J&JのワンデーはBC 9.0とBC 8.5が用意されています。(一部は除外)
なんとなく9.0を選ぶ人が多い気がしますが、私はBC 8.5のほうが圧倒的に合いました。
眼科医でも緩めのカーブ寄りにするかキツ目のカーブ寄りにするかは好みがあるのでしょうし、実際の目のカーブとの相性もあり一概には言えないものの、BCはやや小さめのほうが装用感が良いことが多いです。
アルコンのフォーカスデイリーズシリーズでもBC 8.6のアクアのほうが、BC 8.7のアクアコンフォートプラスよりも合うような感じがしています。(このくらいの差は気分の問題かも)
目のカーブに近いほうが装用感もよく、エッジで目を傷つけるリスクも少ないしで、眼科できちんと測ってもらったうえで結論を出したいですね。
1度だけ目のカーブに合わないロットだったのか形が不良だったのか、片目(左目)だけ瞬きのたびに少しずれる感じがするものがありました。光にあてて反射させるとごく小さい空胞部分があるようで、これが違和感の原因のような気がしています。ほかのレンズではこういうことが無かったので、もう一度出るようであればアキュビューモイストとの相性かもしれません。
アキュビューモイストとトゥルーアイは今では国内のサイトから処方箋なしで買うことができます。すぐ届くので「あ、コンタクトレンズ切れてた」という事になっても手に入れやすいのがありがたいです。
もっとも、この辺りになってくるとクーポン割引などを使うと店頭販売と価格差がなくなってくるので、検診ついでに街のコンタクト屋さんで購入するというのもありかもしれません。
基本スペック
販売名:ワンデー アキュビュー モイスト
タイプ:1日交換、終日装用
分類:グループIV(イオン性高含水)
DIA:14.2mm
BC:8.5mm
含水率:58%
Dk値:28
Dk/L値:33.3 @-3.00D
中心厚:0.84mm @-3.00D
USAN:etafilcon A
製造:Johnson & Johnson Vision Care, Inc.(米国)または Johnson & Johnson Vision Care(Ireland)(アイルランド)Dk値:28
Dk/L値:33.3 @-3.00D
中心厚:0.84mm @-3.00D
USAN:etafilcon A
世界初のワンデーコンタクトレンズ「1DAY ACUVUE」の改良版。
ラクリオンテクノロジーによって、保湿成分をレンズ内に閉じ込めていて終日潤いをキープ。UVカット機能もあり人気の高いレンズ。
あまりコンタクトレンズに興味が無い人でも「アキュビュー」は知られていて、ワンデーコンタクトレンズにおけるひとつのスタンダード。
最近はおなじジョンソン&ジョンソンのトゥルーアイに押されている感がありますが、シリコーンではない従来の素材では人気の高いレンズです。
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