街のコンタクトレンズ屋さんでも取扱が多く、特に前者は比較的安価に販売されていることもあり愛用している人も多いと思われます。
国内の通販サイトでも1,300円くらいで買えますし。
他方のデイリーズアクアの上位バージョンで、潤いを改善したことがウリの「デイリーズアクアコンフォートプラス」(以下は「コンフォートプラス」と記します)
こちらは結構高くて、国内サイトだと2,000円を超える値段で売っているケースが多く、海外サイトで購入しても送料込みで2,000円弱します。
このふたつ、似て異なるレンズでしてレンズそのものの素材はおなじなのに、ベースカーブやDIAといった形状が異なります。
箱のデザインも結構違っていたりします。
(両方とも国内正規品)
サイズ表記もフォントからレイアウトから全部違います。
説明書きもデイリーズアクアは日本語中心のいかにも日本人向けですが、
コンフォートプラスは海外のパッケージそのままです。
デイリーズアクアは海外パッケージとは別に国内パッケージを作っているため日本語中心ですが、コンフォートプラスは世界共通パッケージをそのまま国内でも流通させているといったところでしょうか。
コンフォートプラスはデイリーズアクアの改良版とされています。
ジョンソン・エンド・ジョンソンのアキュビューのように、素材と形状は同じにしながら潤い成分などを変えて改良するのではなく、基材だけ同じにしてイチから全く異なるレンズを作っています。
形状の違いのほか、コンフォートプラスの方は保存液にHPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)とPEG(ポリエチレングリコール)が含まれています。
前者は食品加工物としても使われていて、滑りや粘り気を与える効果があります。アルコンではクッション材と例えています。
また後者は界面活性剤の性質を持ち、吸湿性を利用することで蒸発を防ごうとしているものと予想されます。同じくアルコンのサイトでは涙を引き寄せると書かれています。
というか、形状はともかくとして保存液しか違わないのですかね、このふたつは。
形状の改良により乾燥に強くなったという可能性もありますが、実はあまり影響がなく、むしろ大きくなったことによって装用感は上がったかもしれませんが、その分レンズが瞳の涙を吸収して発散することから乾燥する可能性は増えたのではないかと。
店頭ではそれなりの価格差で売られていますが、もしそのほとんどが保存液の改良分だとしたら、お値段に見合う効果があるのかと期待しちゃいます。
ということで、片目にデイリーズアクア、もう片目にコンフォートプラスを使い比べてみました。
ブリスターパックの形状はおなじ。
デイリーズアクアは5枚全体でひとつのデザインになっていますが、コンフォートプラスは一つ一つがおなじデザインで独立しています。
アルコンのこのパッケージは切り離しがしやすく、開けやすい秀逸なデザインだと思います。
着けて比べてみました
初めに、ブリスターパックを開けてレンズを取り出そうとすると、保存液の違いがはっきりと判ります。
デイリーズアクアは比較的さらさらとした保存液なのに対して、コンフォートプラスはかなりぬるぬるしています。同時に触ると明確に違いが感じられます。
このぬるぬる度合いは保存液にうるおい成分が入っているプロクリアワンデーよりも上です。
レンズの色もデイリーズアクアはほぼ無色に対して、コンフォートプラスは薄い青色で判りやすい。
感覚的には改良されていることがわかりやすいです。
実際に比べてみた結論としては...
うーん、違いがわからないかな。
ソフトレンズなのでベースカーブの違いもあまり影響が無いですし、サイズは若干コンフォートプラスのほうが大きいものの、それほど意識されることもないです。
朝のつけた直後の感想としてはほとんど同じです。
コンフォートプラスのほうが保存液の潤いがあるため、気持ちフィット感が良い感じを受けますが、着けて数分もしてみればそれほど違いがあるようにも感じられません。
午後から夕方にかけてはもうどちらがどちらなのか判りにくい感じです。
むしろコンフォートプラスのほうがBCが大きいせいか少しエッジの違和感を感じることがあります。ただ、明確な違いがあるかと言われればわからないというところが本音です。
酷使する効き目側は違和感を感じやすいのですが、この違和感はコンフォートプラスの時のほうが感じることが多かったのは意外でした。
12時間を超えるくらいになるとデイリーズアクアのほうが少しゴロゴロする感じを受けます。しかしこれも明確に違いが分かるのかと言われれば気のせいかも、という程度です。
日によっては感じないこともあり、明確な差が出るほどではなく、誤差の範囲のような気がします。
このふたつのレンズの比較に限って言えば、違いがほとんどわかりづらいという結論です。
ドライアイの人であれば違いが明確にわかるかもしれません。ただ、私はほとんどコンフォートプラスの保存液効果を感じることはありませんでした。乾燥感にしてはほとんど同じでした。
デイリーズアクアは滑って外しにくいという意見が多いレンズです。
慣れるとそれほどでもないのですが(トータルワンやオアシスワンデーのほうがずっと外しにくい)、コンタクトレンズ全体の中では滑りやすい方かもしれません。
これについてはデイリーズアクアもコンフォートプラスもほぼ差がないといえます。
店頭での価格差を考えると、総合的にどちらかと言われれば私ならデイリーズアクアに軍配を上げます。
コンフォートプラスで採用された技術は装用直後など確かにある程度の効果を感じることがあります。
ただ、乾燥が気になる人であればソフトサンティアなどをこまめに差したほうが現実的です。
コンフォートプラスの価格帯になると、シリコーンハイドロゲルと競合するゾーンになるので、従来素材にこだわらなければトゥルーアイも比較対象に入ってきます。
酸素透過性、感想のしづらさでは一定の評価があるトゥルーアイと勝負をするのは少し厳しい感じです。
逆に、シリコーンハイドロゲルが合わない体質であれば、デイリーズアクアにしたほうがお財布に優しく、より「使い捨て」感あるレンズです。
シリコーンハイドロゲルの半値近い価格メリットを活かして、装用時間を短くした朝晩のピンポイント2枚使いなんてのもありなんではないでしょうか。
ディスプレイ作業が多い人は日中はメガネでも問題なさそうですしね。
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